変わり果てた娘
私には
もうすぐ2才になる
娘がいる
名前は
はる
ちょうど色々と
言葉や着替えなど覚えて
成長するスピードの早さに
驚きと喜びを感じ
日々を過ごしている
先日
仕事が休みの平日
6才の息子のゆうまを
保育園に送り
はると2人で買い物に出かけた時
お菓子など本能のままに
買い物カゴに入れてくる・・
‘’父しゃん、これ、はるちゃん食べたいって‘’
と言いながら
ちなみに私は
‘’父しゃん‘’と呼ばれてる
かわいいけどそこは甘やかさず
お菓子は買う予定になかったので
買わせなかったが
お菓子がだめだと学習したのか
‘’はるちゃんこれ食べる、いいね!‘’
と言いながら
大好物のチーズかまぼこを持ってきた
チーズかまぼこに対する
想いが強いのが
それまでとは違った
1才児の覚悟みたいなものが
感じとれたので
買うことに
さっそく
車で
‘’おいししょうだね‘’
‘’あけて!あけて!‘’
とうるさいので
開けてあげると
‘’おいしー!‘’
あっというまに3本食べるが
最後の1本のビニールを
むいてあげようとすると
‘’これはうーまの!うーまにあげるの!‘’
と
保育園に行っている
兄のゆうまにあげるから
とっておくとの事
親として
とてもほほえましく
優しい子になったなぁと
思い
家に帰り
一緒に昼間をし
ゆうまを保育園に迎えに
行こうと
車に乗った時
はるが
先ほど
ゆうまのために残しておいた
チーズかまぼこをみて
‘’はるちゃん、これ食べる開けて!‘’
と・・
すかさず
‘’え?これゆうまにあげるんでしょ?‘’
と言うと
しばらく
考えるような顔をして
少し小さな声で
‘’あのねぇ、うーまね、これいらないなっちゃったっていってたよ‘’
‘’うーま、やっぱりいらないってよ‘’
・・・・
1才児の渾身のうそが炸裂する
必死に説明する姿が
かわいかった
そんな娘だが
事件は起きた
昨日仕事から帰宅したら
いつもなら
‘’とーうしゃーん‘’
って走って抱きついてくるのに
こたつに座って
心ここにあらず・・
切なそうな顔をして
こたつに座った私の前に
ゆっくり入ってくる
話しかけても反応なし
明らかにおかしい
嫁に事情を聞くと・・
はるが通ってる
嫁の職場の保育所で
2月3日ということで
豆まきが行われた
その際
初めてご対面した
鬼が
あまりに怖かったらしく
迎えにいった時から
ずっとこんな感じとの事で
戸を閉めるちょっとした
音でさえも
びくっとなって
この世の終わりのような表情をする
大好きな歌
パプリカを流しても
微動だにせず
さすがに心配になる
一緒にお風呂に入るが
ずっと
‘’怖いぃ、怖いぃ、抱っこ‘’
と言っている
普段
はるが爆笑する
鉄板のギャグも通用しない・・
これは重症だ
それからは
鬼はもう来ない事と
来ても
お父さんが退治することを
根気よく説明する
少しは
わかったようで
うなずく感じで
顔を縦に振る
ふと
風呂上がったら
アイスでも食べるかと聞くと
スイッチが
オフからオンになったかのように
急に
‘’うん!食べるぅ!おいししょー!!‘’
とテンションMAX・・
私が抱きしめたり、何をしても
だめだったのに・・
その後
寝室に移動し
布団に入ると
はるが
私の布団に入ってきて
抱きつき
‘’とうしゃん、だいしゅきよー‘’
とずっと言いながら
寝てしまいました
なぜか感動し
うるっとするのをこらえながら
はるをいつも寝てる布団に
移動させてたら
嫁と思われる足を踏み
‘’痛いな!ちゃんと見て歩いてよ!‘’
と・・・・
そこには
退治したはずの
鬼が寝そべっていた。